Frei aber einsam

中世、ルネサンス、バロック音楽を楽しむ

ミサ曲

イギリスの古楽(その29)John Sheppard

John Sheppard (Shepherdとも、 c1515-1558)は、イギリスの作曲家。 オックスフォードのマグダレン大学での活動が記録されている。1558年12月、インフルエンザの流行で死去。 ラテン語の作品、ミサ曲、更に英語の作品が残されている。

イギリスの古楽(その28)Christopher Tye

Christopher Tye(c.1505 – 1573年以前)は、イギリスの作曲家、オルガニスト。ケンブリッジでおそらく生まれ、ケンブリッジ大学で訓練を受け、音楽学士となる。エドワード6世の音楽教師として知られている。 エドワード6世 (イングランド王) - Wikipedia プ…

イギリスの古楽(その27)西風

Westron Wyndeは、中世イングランドの民謡。 中世の民謡だと言われるが、1530年の文献に初出している。 英国ルネサンス音楽の重要な作曲家であるJohn Taverner, Christopher Tye, John Sheppardが、これを定旋律とするミサ曲を作曲した。 Westron wynde, whe…

イギリスの古楽(その26)Thomas Ashwell

Thomas Ashwell or Ashewell (c. 1478-1513以降 (おそらく1527?)) はイギリスの作曲家。John Tavernerの先生だった。 Ashwellの作品はラテン語のものだったため、ヘンリー8世による修道院解散に伴いほとんど失われているが、いくつかのミサ曲の断片が残され…

タリス・スコラーズ:ジョスカンのミサ曲全曲録音完成

ルネサンス音楽期の大作曲家ジョスカン(1450/55-1521)のミサ曲は、ベートヴェンの交響曲に相当するような作品群だと思います。 タリス・スコラーズによるミサ曲Pange Linguaの録音で、ルネサンス音楽の魅力を知ることができたものとしては、タリス・スコラ…

イギリスの古楽(その24)John Taverner

John Taverner (c1490-1545、Tavernorとの記述もある)は、イギリスの作曲家。 16世紀前半を代表するイギリスの作曲家である。現代作曲家ジョン・タヴナー(Sir John Tavener、1944-2013)とはスペルが異なるが、Sir John Tavener自身、若い頃からJohn Tav…

イギリスの古楽(その21)Edmund Turges

Edmund Turges (c1450–1500?)は、イギリスの作曲家。おそらくPetworth出身のEdmund Sturges (1507–1508に活動記録) と同一人物。 en.wikipedia.org Eton Choirbook、Caius Choirbook、Fayrfax Bokeの中に作品が残されている。また、Ritson Manuscriptのなか…

イギリスの古楽(その17)Robert Fayrfax

Robert Fayrfax (1464-1521)はイングランドの作曲家。 ヘンリー7世とヘンリー8 世の時代で最も重要な作曲家の一人であり、トーマス・タリス (1505-1585)など、次世代の作曲家に大きな影響を与えたとされる。 en.wikipedia.org 彼はリンカンシャーの ディ…

イギリスの古楽(その10)Walter FryeとJohn Hothby

15世紀の中頃に活動したWalter FryeとJohn Hothbyについて。 ワルター・フライ(Walter Frye, ?-1474?)は、イギリスの作曲家。 イングランド出身。生涯については不明、1474年の遺言が残っている。その作品は、イングランドではなく、大陸側で見つかってい…

イギリスの古楽(その7)Leonel Power

Leonel Power (または、Lionel、Lyonel、Leonellus、Leonelle Polbero 、 1370〜1385-1445)はイギリスの作曲家。 John Dunstapleとともに15世紀初頭を代表するイギリスの作曲家。 人生についてはほとんど不明。カンタベリー大聖堂の合唱団を指導していた。…

東欧の古楽(その22)Marcin Mielczewski

Marcin Mielczewski(c1600-1651)は、ポーランドの作曲家。 マルチン・ミエルチェフスキ - Wikipedia 1638年、ワルシャワの王室礼拝堂の音楽家(役割は不明だが、おそらく器楽奏者)。1645年、国王ヴワディスワフ4世の弟カロル・フェルディナント・ヴァザの…

マレンツィオのワルシャワ・ミサ曲

ルカ・マレンツィオ(Luca Marenzio, 1553-1599)は、後期ルネサンス音楽の作曲家で、パレストリーナとともにローマ楽派を代表する作曲家です。 ルカ・マレンツィオ - Wikipedia ローマ楽派 - Wikipedia ローマのマドリガーレの作曲家として有名でしたが、15…

東欧の古楽(その19)Marcin Leopolita

Marcin Leopolita (Marcin z Lwowa 、 Lwów 、1537 -c1584)は、ポーランドの作曲家。 Marcin Leopolita - Wikipedia クラクフ大学に学んだ。Sebastian z Felsztynaに学んだ可能性がある。20歳で、ジグムント2世アウグストの宮廷音楽家のメンバーとなってい…

ゼレンカのクリスマス・ミサ曲

ボヘミア生まれのヤン・ディスマス・ゼレンカ(Jan Dismas Zelenka, 1679-1745年12月23日)。 ヤン・ディスマス・ゼレンカ - Wikipedia カトリックのバッハとも言われる大作曲家ゼレンカについては、改めて説明する必要もないと思います。1745年、クリスマス…

リバの「チェコの降誕祭ミサ曲」

ヤクブ(・シモン)・ヤン・リバ(Jakub [Šimon] Jan Ryba、1765-1815は、ボヘミアの作曲家。 プルゼニ近郊プレシュティチェ生まれ。プラハのギムナジウムで学び、音楽学生となる。やがて、ロジュミタール・ポド・トレムシーネムの学校長となる。しかし、町…

東欧の古楽(その3)マショーとボヘミア王ヤン親子

ギヨーム・ド・マショー(Guillaume de Machaut, c1300-1377)は、フランス生まれの作曲家。詩人。 ボヘミア王であったヨハン・フォン・ルクセンブルク(1296-1346、ヤン・ルケンブルスキー)とその娘であるフランス王妃ボンヌに仕えた。 ギヨーム・ド・マシ…

ヴェネチアの音楽家(その36)Antonius Romanus

アントニウス・ロマーヌス Antonius Romanus ( 活動時期1400-1432)は、イタリアの作曲家。 Antonius Romanus - Wikipedia 人生についてはほとんど不明。 名前から判断すると、ローマ出身である可能性がある。1420年から1432年の間にヴェネチアのサンマルコ…

ジョスカンのミサ曲新譜

ジョスカンの演奏では定評があるタリス・スコラーズのジョスカンのミサ曲録音の新譜が11/2に出ました。 ルネサンス音楽の頂点に位置づけることができるジョスカンのミサ曲については、以前も4つのミサ曲を紹介しました。 タリス・スコラーズは、ジョスカン…

ヴェネチアの音楽家(その17)Antonio Lotti

アントーニオ・ロッティ(Antonio Lotti, 1667-1740)イタリアの作曲家。オルガニスト。 アントニオ・ロッティ - Wikipedia ヴェネツィア生まれ。ヴェネツィアのサン・マルコ寺院で、楽長のジョヴァンニ・レグレンツィなどに師事し、サン・マルコ寺院で活動…

ヴェネチアの音楽家(その14)Antonio Caldara

アントニオ・カルダーラ(Antonio Caldara, 1670-1736)はイタリアの作曲家。 アントニオ・カルダーラ - Wikipedia ヴェネツィア生まれ。聖マルコ大寺院の聖歌隊員だったが、楽器も学んだ。1699年、マントヴァの宮廷楽長となる。しかし、マントヴァの宮廷が…

ヴェネチアの音楽家(その3)Costanzo Porta

コスタンツォ・ポルタ(Costanzo Porta、1528/1529-1601)はイタリアの作曲家。 クレモナ生まれ。1550年、サン・マルコ寺院の楽長であったアドリアン・ヴィラールトに指導されていたらしい。故郷のパドヴァやラヴェンナなどで活動するも、晩年はパドヴァに戻…

ヴェネチアの音楽家(その1)Annibale Padovano

今回からヴェネチアの音楽家について学びます。アドリアン・ヴィラールトから始まるヴェネチア楽派だけでなく、それ以前、それ以後のバロック期までカバーしたいと思います。 ヴェネツィア楽派 - Wikipedia アンニーバレ・パドヴァーノ(Annibale Padovano、…

ペルゴレージの新発見ミサ曲

ペルゴレージ、ナポリ楽派の代表的な作曲家。26才という若さで夭折したにも関わらず、音楽史の上では重要な作曲家です。 ジョヴァンニ・バッティスタ・ペルゴレージ - Wikipedia 1ヶ月ほど前に、300年ぶりに発見されたというミサ曲を録音した新譜がでていま…

ナポリ楽派(その1)Francesco Durante

今回からナポリで活躍したナポリ楽派の作曲家を学びます。 フランチェスコ・ドゥランテ(Francesco Durante, 1684-1755)はイタリアの作曲家。 フランチェスコ・ドゥランテ - Wikipedia シチリア王国出身。幼くしてナポリの音楽学校に入学し、その後、アレッ…

ルネサンス音楽「オラショ」

潜伏キリシタンが、世界文化遺産に正式に登録されました。 今回は、「オラショ」です。ラテン語のオラシオ (oratio) に由来するとされる日本語です。ミサ曲などに馴染みがあれば、Oratioというのは必ず耳にする単語ですが、英語でいうと、Oration、Orator、O…

オケゲムによる最古のレクイエム

オケゲムのミサ曲。今回は、レクイエム。デュファイもレクイエムを作曲したとされていますが、現存していません。そのため、現存する作曲者のわかっているミサ曲としては、最古のものとされています(グレゴリオ聖歌は別として)。 ただこのレクイエムは、Sa…

15世紀対位法の頂点:オケゲムのMissa Prolationum

ヨハネス・オケゲム(Johannes Ockeghem, c1410 -1497)の傑作ミサ2つ。 frei-aber-einsam.hatenablog.jp ミサ・プロラツィオーヌム(種々の比率のミサ曲)Missa Prolationum Missa prolationum - Wikipedia 15世紀の対位法を使った作品としては、最も優れ…

オケゲムのミサ曲「だんだんと」を聴く

ヨハネス・オケゲム(Johannes Ockeghem, c1410 -1497)は、フランドルの作曲家。デュファイ(c1400-1474)からジョスカン(c1455-1521)の時代をまたぐ重要な作曲家である。その生涯は不明なところが多いが、c1410-1497というしばしば見かける生没年を信用す…

ジョスカンのミサ曲を聴く(2)

ルネサンス音楽期の大作曲家ジョスカン(1450/55-1521)のミサ曲の続きです。 (3)Missa L'homme arme sexti toni「武装した人」 Missa L'homme armé sexti toni - Wikipedia ルネサンスの多くの作曲家が手がけたL'homme armeミサ。ジョスカンには、「Missa…

ジョスカンのミサ曲を聴く(1)

ルネサンス音楽期の大作曲家ジョスカン(1450/55-1521)。改めて説明する必要はないでしょう。 ジョスカン・デ・プレ - Wikipedia ジョスカンは、世俗曲や作曲の自由度が高かったモテットなどを多数作曲していますが、やはりその代表作はミサ曲であると思いま…