Frei aber einsam

中世、ルネサンス、バロック音楽を楽しむ

中世

イギリスの古楽(その30)Godric of Finchale

Godric of Finchale(または、St Goderic、c1065-1170)は、英国の隠者hermit。 NorfolkのWalpoleで生まれ、DurhamのFinchaleで死去。 もともとは船乗りであり、第一回十字軍の指導者、エルサレム王国の初代王となったボードゥアン1世をヤッファに運んだりし…

イギリスの古楽(その27)西風

Westron Wyndeは、中世イングランドの民謡。 中世の民謡だと言われるが、1530年の文献に初出している。 英国ルネサンス音楽の重要な作曲家であるJohn Taverner, Christopher Tye, John Sheppardが、これを定旋律とするミサ曲を作曲した。 Westron wynde, whe…

イギリスの古楽(その13)John Browne

ジョン・ブラウン (John Browne, 1453-c1500)はイギリスの作曲家。 Eton ChoirbookとFayrfax Manuscriptに作品が残るが、数は多くない。 Fayrfax Manuscript https://www.jstor.org/stable/960218?seq=1#metadata_info_tab_contents ブラウンの人生につい…

イギリスの古楽(その12)Eton Choirbook

Eton Choirbook (Eton College MS.178)は、イングランドの声楽曲を集めた15世紀後半の写本。 イングランドにおいては、16世紀前半、ほとんどのラテン語の宗教曲は消失してしまったことから、Eton Choirbook、Lambeth Choirbook、Caius Choirbookの3つの写…

イギリスの古楽(その11)John Dunstaple

John Dunstaple (またはDunstable 、c1390-1453)はイングランドの作曲家。 15世紀初期の最も有名な作曲家の一人であり、ルネサンス音楽の始まりとなるブルゴーニュ楽派への礎を築いた重要な作曲家である。 以前は、ダンスタブルDunstableと呼ばれることが…

イギリスの古楽(その10)Walter FryeとJohn Hothby

15世紀の中頃に活動したWalter FryeとJohn Hothbyについて。 ワルター・フライ(Walter Frye, ?-1474?)は、イギリスの作曲家。 イングランド出身。生涯については不明、1474年の遺言が残っている。その作品は、イングランドではなく、大陸側で見つかってい…

イギリスの古楽(その9)Contenance angloise

Contenance angloiseイングランド様式は、 15世紀イギリスに見られた多声音楽のスタイルで3度と6度の和音の使用に特徴がある。 大陸側のブルゴーニュの宮廷や教会音楽に大きな影響を与えた。 John Dunstaple(Dunstable)、Walter Frye、John Hothbyといった…

イギリスの古楽(その8)Thomas Damett

Thomas Damett (1389 - 90?-1436/1437)はイギリスの作曲家。 ウィンチェスター大学で学び、StocktonでRector(教区牧師)となった。セントポール大聖堂やウィンザー城のセントジョージ礼拝堂でも活動した。Old Hall写本にミサ曲の断片、モテットが残る。 ja…

イギリスの古楽(その7)Leonel Power

Leonel Power (または、Lionel、Lyonel、Leonellus、Leonelle Polbero 、 1370〜1385-1445)はイギリスの作曲家。 John Dunstapleとともに15世紀初頭を代表するイギリスの作曲家。 人生についてはほとんど不明。カンタベリー大聖堂の合唱団を指導していた。…

イギリスの古楽(その6)Roy Henry

Roy Henry ( "King" Henry)(1410年頃)はイギリスの作曲家。イギリス王だったことは間違いがない。ヘンリー5世であると考えられるが、ヘンリー4世である可能性も残されている。オールドホール写本の中に2つの作品(GloriaとSanctus)がある。 en.wikipe…

イギリスの古楽(その5)Pycard

Pycard (Picard、Picart、14c後半-15c初頭)は、イギリスで活動したおそらくフランス人の作曲家。 1390年代にJohn of Gauntのもとで'Jehan Pycard alias Vaux'として働いていたと推測されている。Old Hall Manuscript (大英博物館, Additional MS 57950)に掲…

イギリスの古楽(その4)Sumer Is Icumen In

「 Sumer Is Icumen In 」( Summer CanonあるいはCuckoo Songとも呼ばれる)は、13世紀半ばの中世イングランドのRoundラウンドまたはRotaロタ。Rota、Roundとは、輪唱(カノンCanon)である。 en.wikipedia.org 「Summer Has Come In」、「Summer Has Arriv…

イギリスの古楽(その3)Sarum Chant

セーラム典礼(Use of Sarum, Sarum Rite, Use of Salisbury)とその聖歌(セーラム聖歌 Sarum Chant)は、ローマ典礼に基づき、イングランドのソールズベリー大聖堂において独自に用いられた典礼。 11世紀に始まり13世紀に成立した。16世紀、離婚問題をきっか…

イギリスの古楽(その2)Johannes Alanus

Johannes Alanus (14c後半または15c初頭)はイギリスの作曲家。 彼の作品としてよく知られているのは、モテット「Sub arturo plebs」である。なお、Johannes Alanusと混同されてきたAleynというOld Hall Manuscriptに出現する作曲家は別人である。 Aleyn - …

イギリスの古楽(その1)写本Wolfenbüttel 677

Wolfenbüttel 677は、スコットランドのファイフFifeにあるセント・アンドルーズ聖堂(St Andrews Cathedral)に伝わる13世紀の写本。フランスのノートルダム楽派の多声音楽が多いが、ローカルな音楽も散見される。 ja.wikipedia.org Jacques Handschin. “A Mo…

東欧の古楽(その28)Kir Stefan Srbin

Kir Stefan the Serb (Kir Stefan Srbin, Кир Стефан Србин, 14世紀から15世紀)は、セルビアの作曲家。14世紀から15世紀のセルビアにおいては、Kir Joakim, Kir Stefan、Nikola、そしてIsaiahらが重要な音楽活動を行ったとされる。もっともよく知られてい…

東欧の古楽(その16)Mikołaj Radomia

Mikołaj Radomski (Mikołaj Radomia)、15世紀初期(1400年代前半)のポーランドの作曲家。 Mikołaj z Radomia - Wikipedia Mikołajz Radomiaは、クラクフKrakówで活動していたと考えられるが、その生涯は不明である。ヴワディスワフ2世の宮廷と関わりが深い…

中世ハンガリーのクリスマス音楽

ハンガリーは、アジア・ウラル系のマジャル人の国ですが、西暦1000年、キリスト教徒となったイシュトヴァーン1世は、ローマ教皇からハンガリー国王として戴冠し、キリスト教がハンガリーの地に広がります。 しかし、13世紀のモンゴルの侵入(バトゥの西征)…

東欧の古楽(その15)Ioannis Koukouzelis

ヨアン・ククゼル(英語:John Koukouzelis, ギリシャ語 : Ιωάννης Κουκουζέλης , Ioannis Koukouzelis, c1280-c1360 )は、ブルガリア、アルバニアの作曲家。歌手、正教会のキリスト教徒。死後、東方教会により聖人となった。 John Koukouzelis - Wikipedi…

東欧の古楽(その4)スメタナとJistebnice賛美歌

Jistebniceの賛美歌の本 ( チェコ語 : Jistebnický kancionál )は、1430年頃手書きされた賛美歌集。フス教徒の典礼のための歌が収められており、 現在はプラハ国立博物館に保管されている。 ヤン・フス - Wikipedia フス派 - Wikipedia Jistebnice hymn b…

東欧の古楽(その3)マショーとボヘミア王ヤン親子

ギヨーム・ド・マショー(Guillaume de Machaut, c1300-1377)は、フランス生まれの作曲家。詩人。 ボヘミア王であったヨハン・フォン・ルクセンブルク(1296-1346、ヤン・ルケンブルスキー)とその娘であるフランス王妃ボンヌに仕えた。 ギヨーム・ド・マシ…

東欧の古楽(その2)聖ヴァーツラフ

プラハの聖ヴィート大聖堂で歌われた聖ヴァーツラフの賛美歌(英語、Saint Wenceslas Chorale;チェコ語 Svatováclavský chorál )は、中世から知られているチェコの賛美歌である。聖ヴァーツラフとは、ヴィート大聖堂となる聖堂を建て、後にチェコの守護聖…

東欧の古楽(その1)Hospodine pomiluj ny

今回から東ヨーロッパの古楽を取り上げます。東欧といっても広いし、ドイツ語圏との関わりも深いので、厳密に東欧の定義というのは難しいところも多いです。また、現在のポーランド人はポーランドを中欧だという認識を持っているらしいですが、これはソ連崩…

Vindel羊皮断片のカンティガ

マルティン・コダシュ(Martín Codax)は13世紀に活動したガリシアのジョグラール(トロバドールとは違って身分が低い無名で世俗的な吟遊演奏者)による写本。ガリシア語で書かれた世俗的韻文集である。 1913年、マドリードを拠点とした古美術商ペドロ・ヴィ…

Sharrer羊皮断片のカンティガ

Pergaminho Sharrer (Sharrerの羊皮断片)は、ガリシア語の歌詞がついたポルトガル王ディニス1世(1261-1325)時代の7曲のカンティガ(7つの愛の歌(cantigas de amor))が書かれた中世の羊皮断片(羊皮紙Pergaminho)。 Pergaminho Sharrer - Wikipedia カ…

学生歌Gaudeamus igitur

ガウデアームス、またはガウデアームス・イギトゥル (Gaudeamus igitur) は、ヨーロッパ各国に伝わる学生歌である。パリの国立文書館に保存されている1287年に書かれたラテン語文書の中にみられる。1267年、ボローニャの司教であるストラーダという人物が作…

ヴェネチアの音楽家(その37)Hugo de Lantins

ユゴー・ド・ランタン(Hugo de Lantins, 活動時期1420-1430)は、イタリアで活動した作曲家。 ユゴー・ド・ランタン - Wikipedia Hugo de Lantins 1420年代にヴェネチアで活躍していたことは確実のようだ。しかし、その人生は全く不明である。同時期にヴェ…

ヴェネチアの音楽家(その36)Antonius Romanus

アントニウス・ロマーヌス Antonius Romanus ( 活動時期1400-1432)は、イタリアの作曲家。 Antonius Romanus - Wikipedia 人生についてはほとんど不明。 名前から判断すると、ローマ出身である可能性がある。1420年から1432年の間にヴェネチアのサンマルコ…

聖ガルスSaint Gall

Wikipediaの中世アイルランドの音楽家という項目をみると、このような人たちが掲載されています。この中でご存知の音楽家はいるでしょうか? Category:Medieval Irish musicians - Wikipedia Aaron Scotus Cú Chuimne Ferdomhnach Dall Foillan Saint Gall H…

対立教皇に仕えたJacob de Senleches

ジャコブ・ド・サンレーシュあるいはサンレシュ(Jacob de Senleches, ?-1395)はフランドルの作曲家。ハープ奏者。アルス・スブティリオル様式の曲が残るシャンティー写本の重要な作曲家の一人。 ジャコブ・ド・サンレーシュ - Wikipedia シャンティー写本 …