Frei aber einsam

中世、ルネサンス、バロック音楽を楽しむ

聖歌

イギリスの古楽(その31)Robert Parsons

Robert Parsons(c1535-1571/2)は、イングランドの作曲家。エドワード6世、メアリー1世、エリザベス1世の時代に活動した。 ヘンリー8世の後、エドワード6世が即位すると、カンタベリー大司教トマス・クランマー(Thomas Cranmer, 1489-1556)を中心に聖公会祈…

イギリスの古楽(その30)Godric of Finchale

Godric of Finchale(または、St Goderic、c1065-1170)は、英国の隠者hermit。 NorfolkのWalpoleで生まれ、DurhamのFinchaleで死去。 もともとは船乗りであり、第一回十字軍の指導者、エルサレム王国の初代王となったボードゥアン1世をヤッファに運んだりし…

イギリスの古楽(その29)John Sheppard

John Sheppard (Shepherdとも、 c1515-1558)は、イギリスの作曲家。 オックスフォードのマグダレン大学での活動が記録されている。1558年12月、インフルエンザの流行で死去。 ラテン語の作品、ミサ曲、更に英語の作品が残されている。

シュトゥットガルトで活躍したPhilipp Friedrich Böddecker

Philipp Friedrich Böddecker (1607-1683) は、シュトゥットガルトで活躍した作曲家、オルガニスト。 Johann Ulrich Steiglederに指導を受ける。1652年にシュトゥットガルトの修道院のオルガニストに就任した。 代表的な作品集には、「Sacra Partitura」があ…

イギリスの古楽(その12)Eton Choirbook

Eton Choirbook (Eton College MS.178)は、イングランドの声楽曲を集めた15世紀後半の写本。 イングランドにおいては、16世紀前半、ほとんどのラテン語の宗教曲は消失してしまったことから、Eton Choirbook、Lambeth Choirbook、Caius Choirbookの3つの写…

イギリスの古楽(その3)Sarum Chant

セーラム典礼(Use of Sarum, Sarum Rite, Use of Salisbury)とその聖歌(セーラム聖歌 Sarum Chant)は、ローマ典礼に基づき、イングランドのソールズベリー大聖堂において独自に用いられた典礼。 11世紀に始まり13世紀に成立した。16世紀、離婚問題をきっか…

イギリスの古楽(その1)写本Wolfenbüttel 677

Wolfenbüttel 677は、スコットランドのファイフFifeにあるセント・アンドルーズ聖堂(St Andrews Cathedral)に伝わる13世紀の写本。フランスのノートルダム楽派の多声音楽が多いが、ローカルな音楽も散見される。 ja.wikipedia.org Jacques Handschin. “A Mo…

東欧の古楽(その33) まとめ

東欧の古楽ということでは、今回が最終回としたいと思います。東欧とはどこを指すのか、という点についてはこのWikipediaのページが参考になると思います。チェコなどを「中欧」とする考えもあれば、アルメニアを「東欧」に含めるという考えもあるということ…

東欧の古楽(その28)Kir Stefan Srbin

Kir Stefan the Serb (Kir Stefan Srbin, Кир Стефан Србин, 14世紀から15世紀)は、セルビアの作曲家。14世紀から15世紀のセルビアにおいては、Kir Joakim, Kir Stefan、Nikola、そしてIsaiahらが重要な音楽活動を行ったとされる。もっともよく知られてい…

東欧の古楽(その26)Artem Vedel

Artem( Artemy)Vedel ( ウクライナ語 : Артем(Артемій)Ведель )(c1767-1808) は、ウクライナ人作曲家。 Artemy Vedel - Wikipedia ロシア語Wikipedia Ведель, Артемий Лукьянович — Википедия キエフ生まれ。キエフの学校で音楽教育と人文教育を受…

東欧の古楽(その25)Dmytro Bortniansky

ドミトリー・ステパーノヴィチ・ボルトニャンスキー(Dmytro Bortniansky、ロシア語:Дмитрий Степанович Бортнянский、1751-1825)は、ウクライナ人のロシアの作曲家。ウクライナ語では、ドムィトロー・ステパーノヴィチ・ボルトニャーンシクィイ(Дмитро Ст…

東欧の古楽(その24)Maksym Berezovsky

マクシム・ソゾントヴィチ・ベレゾフスキー(Maksym Sozontovych Berezovsky 〔Максим Созонтович Березовский〕、 c1745-1777)はウクライナ出身でロシアで活動した作曲家。オペラ歌手、ヴァイオリニスト。 マクシム・ベレゾフスキー - Wikipedia 生涯につ…

東欧の古楽(その23)Gregory Skovoroda

Gregory Skovoroda フルィホーリイ・スコヴォロダ(ウクライナ語:Григорій Сковорода、1722-1794)は、ウクライナの作曲家。むしろ、哲学者、文芸家(文人、詩人)として有名であり、「ウクライナのソクラテス」と呼ばれる。その概要は、Wikipediaのリンク…

東欧の古楽(その16)Mikołaj Radomia

Mikołaj Radomski (Mikołaj Radomia)、15世紀初期(1400年代前半)のポーランドの作曲家。 Mikołaj z Radomia - Wikipedia Mikołajz Radomiaは、クラクフKrakówで活動していたと考えられるが、その生涯は不明である。ヴワディスワフ2世の宮廷と関わりが深い…

中世ハンガリーのクリスマス音楽

ハンガリーは、アジア・ウラル系のマジャル人の国ですが、西暦1000年、キリスト教徒となったイシュトヴァーン1世は、ローマ教皇からハンガリー国王として戴冠し、キリスト教がハンガリーの地に広がります。 しかし、13世紀のモンゴルの侵入(バトゥの西征)…

東欧の古楽(その15)Ioannis Koukouzelis

ヨアン・ククゼル(英語:John Koukouzelis, ギリシャ語 : Ιωάννης Κουκουζέλης , Ioannis Koukouzelis, c1280-c1360 )は、ブルガリア、アルバニアの作曲家。歌手、正教会のキリスト教徒。死後、東方教会により聖人となった。 John Koukouzelis - Wikipedi…

東欧の古楽(その8)Adam Václav Michna

アダム・ヴァーツラフ・ミフナ(Adam Václav Michna z Otradovic, c1600-1676)は、ボヘミアの作曲家。詩人、オルガニスト。 アダム・ヴァーツラフ・ミフナ - Wikipedia ボヘミア南部のインドルジフーフ・フラデツJindřichův Hradec(プラハとウィーンの中間…

東欧の古楽(その4)スメタナとJistebnice賛美歌

Jistebniceの賛美歌の本 ( チェコ語 : Jistebnický kancionál )は、1430年頃手書きされた賛美歌集。フス教徒の典礼のための歌が収められており、 現在はプラハ国立博物館に保管されている。 ヤン・フス - Wikipedia フス派 - Wikipedia Jistebnice hymn b…

東欧の古楽(その2)聖ヴァーツラフ

プラハの聖ヴィート大聖堂で歌われた聖ヴァーツラフの賛美歌(英語、Saint Wenceslas Chorale;チェコ語 Svatováclavský chorál )は、中世から知られているチェコの賛美歌である。聖ヴァーツラフとは、ヴィート大聖堂となる聖堂を建て、後にチェコの守護聖…

東欧の古楽(その1)Hospodine pomiluj ny

今回から東ヨーロッパの古楽を取り上げます。東欧といっても広いし、ドイツ語圏との関わりも深いので、厳密に東欧の定義というのは難しいところも多いです。また、現在のポーランド人はポーランドを中欧だという認識を持っているらしいですが、これはソ連崩…

パーセルの師匠John Blow

ジョン・ブロウ(John Blow, 1649-1708)は、イングランドの作曲家。オルガニスト。 ジョン・ブロウ - Wikipedia ノッティンガムシャーの北コリンガム生まれ。王室礼拝堂の聖歌隊員となり、1685年にジェームズ2世宮廷の音楽家の一人になった。1687年、セント…

イングランド以外の英国作曲家(その7)William Williams

ウィリアム・ウィリアムズ(William Williams, Pantycelyn、1719-1791)は、ウェールズの讃美歌作者。 ウィリアム・ウィリアムズ - Wikipedia ウィリアムズは1717年、カーマーゼンシャーに生まれた。ウィリアムズは英語でも讃美歌を書いたが、大部分がウェー…

聖ガルスSaint Gall

Wikipediaの中世アイルランドの音楽家という項目をみると、このような人たちが掲載されています。この中でご存知の音楽家はいるでしょうか? Category:Medieval Irish musicians - Wikipedia Aaron Scotus Cú Chuimne Ferdomhnach Dall Foillan Saint Gall H…

ある人達は慣習的に歌を作るがPetrus de Cruce

ペトルス・デ・クルーチェ(Petrus de Cruce)、あるいはフランス語読みピエール・ド・ラ・クロワ(Pierre de la Croix)(13c後半から14c前半) は、フランスの作曲家、音楽理論家。フランス北部のアミアン生まれ。記譜法の発展に寄与した。後の世に、アルス…

ルネサンス音楽「オラショ」

潜伏キリシタンが、世界文化遺産に正式に登録されました。 今回は、「オラショ」です。ラテン語のオラシオ (oratio) に由来するとされる日本語です。ミサ曲などに馴染みがあれば、Oratioというのは必ず耳にする単語ですが、英語でいうと、Oration、Orator、O…

18世紀初頭ロシアのVasily Polikarpovich Titov 

ワシリー・ポリカポヴィチ・チトフVasily Polikarpovich Titov (ロシア語: Василий Поликарпович Титов; c1650–1710?) は、ロシアの作曲家。 Vasily Polikarpovich Titov - Wikipedia 最初、フョードル3世の合唱団に入るが、イヴァン5世がツァーリになると…

ユグノー戦争の犠牲となったClaude Goudimel

クロード・グディメル (Claude Goudimel, c1510-1572)は、フランスの作曲家、音楽理論家。 ブザンソン生まれ。プロテスタント(カルヴァン派=カトリックからはユグノーHuguenotと呼ばれた)に改宗した。当時のフランスは、宗教内乱であるユグノー戦争の真…

戦士Antoine Busnois

アントワーヌ・ビュノワ(Antoine Busnois、またはBusnoys , c1430-1492)はブルゴーニュ公国の作曲家。1467年にはブルゴーニュ公国シャルル突進公のもとに戦士として仕え、ディジョンで宮廷歌手だった。戦士としての時代を経て、ブルッヘの聖ソヴール教会St…

Tallisの40声のモテットSpem in alium

40声のモテットSpem in alium「我、汝の他に望みなし」は、イングランドの作曲家トマス・タリス(Thomas Tallis, 1505-1585)によって、1570年ごろに作曲された。ラテン語の歌詞を持つ5声、それぞれ8人づつ(5x8) の独立した40声部からなる大規模な合唱曲で…

17世紀ロシアの音楽改革者Nikolay Diletsky

ニコライ・ディレツキー(Николай Дилецкий, 英語Nikolay Diletsky, c1630-c1680)は、ウクライナ出身の作曲家、音楽理論家である。当時、ビザンツ聖歌の伝統を引き継いだ中世からのロシア聖歌が歌われていたロシアの地に、西欧の記譜法、多声聖歌、長短調の…