アダン・ド・サン・ヴィクトール(Adam de St.Victor, ?-1146)は、フランスの詩人、作曲家。文献上最初に現れるのは、1098年である。パリのノートルダム大聖堂のカントル(cantor)などの聖職者を務めた後、1133年には、パリのサン・ヴィクトール修道院に移った。
セクエンツィア集のなかに、ミサ中に単声音楽として利用されたと考えられる47の詩が残されており、当時を代表する重要な文芸作品とされる。
なお、1163年になると、現在のノートルダム大聖堂が新築され始め、多声音楽のノートルダム楽派として音楽史でよく知られるLéonin (12世紀後半)やPérotin (c1180-c1220)が活躍したアルス・アンティクア(Ars antiqua)の舞台となった。
Adam of St Victor | Grove Music