エヌモン・ゴーティエ(Ennemond Gaultier, c1575-1651)はフランスの作曲家、リュート演奏者。当時の宮廷では、リュート演奏が盛んで、ルイ13世の王妃アンヌ・ドートリッシュ(ルイ14世母)や宰相リシュリューのリュート教師であった。
Gaultier le Vieux (老ゴーティエ)とも呼ばれる。Gaultier le jeune(若ゴーティエ)は、従弟のドゥニ・ゴーティエ(Denis Gaultier 、1603-1672)のことである。エヌモンはリオン出身であったことからリオンのゴーティエ、ドゥニはパリのゴーティエとも呼ばれる。2人のゴーティエの作品は混同されることも多いが、共にリュート音楽作品の歴史に大きな足跡を残した。クラヴサン(チェンバロ)は、もともとリュートのための作品を編曲して演奏していたこともあり、これが、後にフランスバロック期のクランソワ・クープラン(1668-1733)やジャン・フィリップ・ラモー(1683-1764)などのクラヴサン作品の隆盛につながっていく。
エヌモン・ゴーティエのよく知られた作品。
メッサンジョーに捧げるトンボー(Le tombeau de Mezangeau)
美しき殺し屋 (La Belle Homicide)
老ゴーティエのカナリー(Les Canaries du Vieux Gaultier)
明日は、従弟のドニの作品を紹介する。