フィリップ・ヴェルドロ(Philippe Verdelot, c1480-1531?/1552?)は、イタリアで活動したフランス人作曲家。
フランス生まれで、フィレンツェ中心に活動したヴェルドロは、イタリアのマドリガーレの創始者とされる。ヴェネチアで1530年代後半に出版されたマドリガーレ集に多数の作品が掲載されている。このことから、ヴェルドロは、晩年、ヴェネチアにいた可能性が高い。
フィレンツェはながらくメディチ家の支配下にあったが、メディチ家による支配をめぐり、このころのフィレンツェは激動の時代であった。「君主論」で知られる思想家、政治家ニコロ・マキャヴェリは、メディチ家ではない勢力側にあり、ヴェルドロも同じ側にあった。
フィレンツェの歴史
1526年、ヴェルドロは、マキャヴェリが書いた喜劇「マンドラゴーラ La Mandragola」(英:The Mandrake)の上演に関わった。一応、1526年の上演はメディチ家が立てた教皇クレメンス7世に献呈されているが、こういう経緯から、メディチ家が再びフィレンツェを支配するようになった1530年以降、メディチ家から追及を受けたため、ヴェネチアに逃亡したと言われる(殺害されたという可能性も捨てきれない)。
「マンドラゴーラ」のためにヴェルドロが作曲した「カンツォーネ」は、最初のマドリガーレだとみなされている。
La mandragola