Frei aber einsam

中世、ルネサンス、バロック音楽を楽しむ

アルスノヴァのフォヴェル物語Roman de Fauvel

フォヴェル物語 Roman de Fauvelは、14世紀初頭の作家であるGervais du Busが編纂したとされるフランス語による絵入り物語。Fauvel(これもフランス語で英語のFlattery, Avarice, Vileness, Variability, Envy, Laxityに相当する皮肉の効いた単語の冒頭の組み合わせ)と名乗る淡黄褐色の馬(ロバ)が主役で、国王、聖職者、庶民などが関わる詩歌的な寓意的風刺を行っている。3,280の詩とともに、2声、3声による世俗的な多声音楽が含まれている。

 

Roman de Fauvel - Wikipedia

Gervais du Bus — Wikipédia


アルス・アンティクァでは、多声音楽はラテン語による宗教音楽が中心であった。フォヴェル物語中の音楽は、世俗音楽にも多声音楽が導入された初期の例である。リズムの多様化や記譜法の導入により、複雑な音楽となっている。

 

当時の音楽理論書が、フィリップ・ド・ヴィトリPhilippe de Vitry (1291-1361)による「アルスノヴァArs nova」(1322年ごろ)であり、フォヴェル物語 Roman de Fauvelのなかの音楽は、そのころの音楽様式の始まりとされる。なお、この様式は、ギヨーム・ド・マショーGuillaume de Machaut, c1300-1377)という巨匠の活躍に代表され、20世紀になると、「アルスノヴァ」と呼ばれるようになった。

 

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