Frei aber einsam

中世、ルネサンス、バロック音楽を楽しむ

ジョスカンのミサ曲を聴く(2)

ルネサンス音楽期の大作曲家ジョスカン(1450/55-1521)のミサ曲の続きです。

 

(3)Missa L'homme arme sexti toni武装した人

Missa L'homme armé sexti toni - Wikipedia

 

ルネサンスの多くの作曲家が手がけたL'homme armeミサ。ジョスカンには、「Missa L'homme arme super voces musicales」というミサ曲があるのですが、もう1つの第六旋法のミサ曲の方です。

 

特に、Sanctus/Osannaの部分のカノン、最後のAgnus Deiのテーマの展開の仕方の部分などは圧巻です。数学的な要素を音楽の中で本格的に展開させた画期的な作品といえるでしょう。そして、内容の濃さも圧巻です。

 

おすすめの演奏は、やはりタリス・スコラーズのもの。

 

Josquin Des Prez: Missa l'Homme Armé Sexti Toni 4. Sanctus - YouTube

Josquin Des Prez: Missa l'Homme Armé Sexti Toni 5. Agnus Dei - YouTube

 

(4)Missa Pange lingua (コンデ。1514年以降、おそらく1515年。)「パンジェ・リングァ」

Missa Pange lingua - Wikipedia

 

ジョスカンの晩年の作品であり、ジョスカンの代表作、更にはルネサンス音楽の代表作の1つとして紹介されることも多いミサ曲です。Pange linguaは、舌よ歌え。グレゴリオ聖歌のPange lingua、Do-Re-Fa-Mi-Re-Doが展開されます。Do-Re-Fa-Mi-Re-Doは、後にWolfgang Amadeus Mozartもその最後の交響曲41番ジュピターの中でも使っています。

 

ルネサンス音楽というと、イタリアで花開いた絵画などのルネサンス運動を連想させますが、フランドルで盛んになった音楽の「ルネサンス」は、そういう花開くというイメージを感じにくいものです。でも、私は、このミサ曲を聴くとき、中世からの解放を感じることができます。

 

おすすめの演奏は、やはりタリス・スコラーズのもの。

 

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